2009年5月21日木曜日

2009年度ユーロビジョン、イスラエル代表の歌手


ユーロビジョンというのをご存知でしょうか。これはヨーロッパ諸国の代表歌手が「歌くらべ」をする音楽コンテストで、ヨーロッパの音楽界では半世紀も続いている一大音楽イベントです。ヨーロッパ諸国以外ではイスラエルとモロッコもこれに参加しており、歌を愛するイスラエルでも、毎年誰が代表になるかと注目されています。今年は5月12〜16日の4日間にわたりロシアのモスクワで開催され、のべ42カ国を代表する歌手たちが歌くらべをしました。

さて2009年を代表する今年、イスラエルを代表したのは、異色の女性デュオ、Noa & Mira Awad です。ノアさんは、褐色のユダヤ人(ユダヤ教徒)で、ミラ・アワッドさんは白人(のような)パレスチナ人(キリスト教徒)です。プロフィールでは、ノアさんがテルアビブ出身でアメリカ育ち。一方、ミラさんは、ガリラヤ地方出身でクリスチャン・アラブの父とブルガリヤ出身の母を持つハーフということです。写真参照。

一見すると、ノアさんがパレスチナ人で、ミラさんがユダヤ人の様に見えます。民族的にも宗教的にも二人はミスマッチのように大衆の目に写るためか、このコンテストに出るにあたり、イスラエル国内のアラブ系市民やパレスチナ系団体からの非難を受けてきた様です。それでも二人の友情は変わらず、むしろ小さな迫害の数々を経て、結束は固くなり、二人はコンテストでアラブ語、ヘブル語、英語を交えて堂々と歌い、セミ・ファイナルまで進みました。

歌のタイトルはThere Must Be Another Way」(平和の道は他にあるはず:意訳)です。政治の上ではこの二人の間には大きな隔たりがあるのでしょうが、二人はその重圧を受けつつも、お互いの存在や生き方を尊重し合い、ふたりの友情を通して、この歌を歌いあげています。YouTubeで、二人の歌声を視聴したい方はここをクリック

祈り)彼女たちのように、アラブ人を愛すユダヤ人、ユダヤ人を敬うアラブ人が多少でもイスラエルにいることは、この国の行く末に希望を与えます。しかしこれらの人たちが「異色」とされる時代がやがて終わるといいのに、、と祈ります。
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