11月7日付け産経新聞、大内清氏の記事をそのまま下記に添付します。イスラエル社会が右傾化してきているのでは、と地元のニュースでも大きく取り上げられています。—————————— イスラエルで10月、入植地に住むユダヤ教超正統派の男が逮捕された(写真)。男は12年間にわたり、パレスチナ人殺害やイスラエル人平和運動家襲撃、イエスを救世主として信奉するユダヤ人「メシアニック・ジュー」への爆弾テロを実行したほか、8月に同性愛者2人が殺害された事件に関与した疑いもある。民族、政治信条、信仰の違う人々を次々と標的にしていたこの男。同国メディアは、極端な宗教観に突き動かされた「テロリスト」として、生い立ちや思想的背景について大きく報じている。 ■厳格な家庭・入植活動に傾倒 男はヨルダン川西岸中部のイスラエル人入植地シュブト・ラヘルに住むコンピューター技術者、ヤコブ・テイテル容疑者(37)。8月にテルアビブで起きた同性愛者の襲撃事件を支持するビラを配ったとして10月7日、同国の国内情報機関シンベトと警察当局によって逮捕され、他の事件への関与についても供述を始めた。 イスラエル紙ハアレツ(電子版)などによると、テイテル容疑者は1972年、米フロリダ州に生まれた。両親とも超正統派のユダヤ教徒で、幼いころから宗教的に厳格な家庭環境で育った。大学では心理学を専攻したという。 90年代半ばごろから、ユダヤ人の若者の間で広まった西岸への入植活動に傾倒し、観光ビザを使ってイスラエルに頻繁に渡航するようになった。 テイテル容疑者はその後、米国でコンピューターに関する資格を取得し、99年から実際に入植地で生活を開始。2000年にイスラエルに帰化した。3年後には英国出身のユダヤ人女性と結婚し、4人の子供をもうけた。 ■「静かな性格」 「物静かな性格で、ほかの入植者との付き合いも少なかった」 親族ら関係者がこう口をそろえるテイテル容疑者。だが、その裏では、次々と凶悪犯罪に手を染めていた。 これまでに判明しているだけでも、テイテル容疑者が実行したとみられている事件は多岐にわたる。 ▽パレスチナ自治区ヘブロンでパレスチナ人の男性2人を射殺(イスラエル移住前の1997年) ▽「メシアニック・ジュー」の一家がプレゼントを装った爆発物を送りつけられ、15歳の息子が重傷(2008年3月) ▽パレスチナとの和平・共存を主張する平和運動家の大学教授宅に仕掛けられた爆弾が爆発し、教授がけが(同年9月) ▽同性愛者パレードの警備を担当した警察署の爆破未遂(時期不詳) 同紙によると、当局では、8月にテルアビブの同性愛者集会所で男女2人が殺害された事件についても、仲間を使って襲撃させた可能性があるとみて調べを進めている。97年の別のパレスチナ人殺害事件にも関与していた可能性が高いという。 ■信仰上の「敵」 接点がないようにも見えるこれらの事件だが、狂信的なまでの超正統派ユダヤ教徒であるテイテル容疑者にとっては、いずれの事件の被害者も、信仰上、許すことのできない「敵」だったようだ。大学教授を狙った事件の現場近くには、ユダヤ教の教えに反する政策をとっているとして政府を激しく非難するメモも残されていた。 こうしたことから、テイテル容疑者の犯行の動機には、西岸全土を含む土地をイスラエルの領土と見なしてパレスチナ国家を否定したり、同性愛者やメシアニック・ジューを異端視したりするユダヤ教強硬保守派の考え方が色濃く反映していることは間違いないとみられる。当局ではさらに動機の解明を進めるとともに、ほかに関与した事件がないか調べている。 一方、同国の英字紙エルサレム・ポスト(電子版)によると、イスラエルでは近年、アラブ系女子校爆破未遂(2002年)や、アラブ系市民4人が殺害された事件(05年)などユダヤ教徒による凶悪犯罪が続発。パレスチナ人らを標的とした未解決事件も多い。 それによってパレスチナ側の態度をさらに硬化させて報復を招くという面もあるだけに、メディアでは捜査当局に対し、こうした事件の摘発強化を求める声も高まっている。 感想)テイテル容疑者と並行して、ロシア移民のユダヤ人による一家6人殺害事件も最近のニュースでした。こちらは世俗派のユダヤ人の間で起きた事件。どちらも移民してきたユダヤ人ということで、移民したユダヤ人(アリヤー組)には痛いニュースです。またイスラム教徒を殺害したテイテル容疑者は、同胞をも—メシアニック・ジューや同性愛者でしたが—殺そうとしました。また彼の立場を擁護する超正統派のラビもどうやら存在するようで、ユダヤ教内の右派と左派の対立は今後激化しそうです。 祈り)イスラエルではユダヤ人の間にある左翼と右翼の対立は政界と宗教界の間にはつきものです。最近は大学内でも対立が目立っています。彼等がものさしとする「聖書」そのものの解釈にアカデミックな世界でも大きなズレが生じている様子。この大きなズレと議論と対立を通して、彼等が追求してやまない“神の義”—神の目から見て何が本当に正しいのかを—極めていけますように。
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2009年11月14日土曜日
「信仰の敵」次々と襲った極右イスラエル人逮捕
2009年5月9日土曜日
ジーザス系シオニスト?

一般的にシオニストというと政治色の濃いユダヤ系ナショナリストを連想します。アラブ系指導者達による定義づけばかりがニュースで頻繁に流されるためでしょうか。けれども現代シオニズムは政治/社会派、現代派、民衆派に分類できますし、聖書時代から今日にいたるシオニズムを考えても、宗教的シオニズムとして一つに分類されはしても、その主張グループも内容も様々です。又ユダヤ人以外でも、キリスト教徒たちがユダヤ人たちの「約束の地への帰還」を支援すれば、これら支援者たちをキリスト教シオニストと呼びます。そして存在としては目立っていませんが、イスラム教徒の中にもこうした支援者がいます。さて、こうした様々なサブグループが存在するシオニズムの中に、最近注目を浴びる新しいシオニストがいるので、ここで紹介します。
そのグループは、——エルサレムポスト紙の呼称では——ジーザス系シオニストです。彼等はキリスト教シオニストの様な異邦人団体ではなく、ナザレ人イエスをメシアとして受け入れたユダヤ人(総称:メシアニック・ジュー)たちです。去る4月30日にエルサレム・ポスト紙は、メシアニック・ジューの中でも、イスラエル国籍と強い愛国心を持つユダヤ人シオニスト・グループを「ジーザス系シオニスト」として報道しました。同紙の記事[英題:Religious Affairs: Jesus's Zionists]から、このグループに所属する兵士達の特徴を列記してみましょう。
1)イスラエル国内のメシアニック・ジューの青年たちは兵役の義務を果たす。これは兵役の義務を信仰上の理由で拒否する多くのユダヤ教正統派の青年たちとは正反対の傾向である。正統派とはいえ現代イスラエルのために兵士を送る異色の団体、オーソドックス・シオニストと類似する。それは「イスラエルのために闘うことは信仰上果たすべき義務」と考えている点において。しかしメシアニック・ジューの兵士たちが突出している点は「現代イスラエルの国益のために」というよりは「神の側で闘う」という意識の強さである。
メシアニック・ジューのアイレット・ロネン氏の証言:「我々の青年たちは個人としての信仰をしっかり持つよう奨励されています。(新約聖書とイエス・キリストへの)信仰は強いられていません。もし1人の若者が信じたなら、それは内的な理由で外的な圧力からではありません。ですから(この信仰を持つ)青年達には(他の兵士たちと異なり)強さがあります。しかし重要な点は、我々がユダヤ民族のために闘うのは、神の側で闘っているという点です。」
2)メシアニック・ジューの兵士達は評判が良い。彼等は忠実な僕で、忍耐強い。国防軍の兵士たちの間では婚前交渉が一般的な社会現象になっているが、彼等だけは異なる。
3)彼等は、新約聖書の平和主義的教えと兵役の義務を果たす行為とに矛盾点を置かない。しかしチャレンジを受けることはあるようである。
ある兵士の証言:「(イエスを救い主をして仰ぐ)信仰者として、我々が敵を愛し、敬うことは義務です。しかし我々はイスラエル国民として兵役の義務も果たします。信仰者なら、自分の言動が正しく、善いことであるかを絶えず問わねばなりません。ですから最も辛い時は、パレスチナ自治区内やボーダーパトロール中で、パレスチナ人たちを警備する時です。」
「これを個人的には、我々が彼等を思いやる機会として受け取めています。そしてイエスの教えを証しする場として考えています。今日、国防軍には我々と同じ兵士(メシアニック・ジュー兵士)が200〜300名おり、国内のあちこちで活動し、良い証しを立てています。」
4)彼等は、兵役中、終末を念頭に置いている。注)この場合の終末とは、聖書信仰に立つ者の表現で、今の世界が終わりメシアが到来する時を指します。
同兵士の言葉:「この国の問題は永久にこの状態だとは考えていません。やがて ”平和の君” が到来し平和の時代が来るでしょう。その時に、全ての者がこのお方、つまりイエスがメシアだと気づくでしょう。」
————————
イスラエル国内には、メシアニック・ジューは、1万人程いる(これより多く見積もる者もいます)と考えられています。彼等はまだ社会的に認められたユダヤ人のグループではありません。”ジーザス系シオニスト” の存在が、こうしてマスコミからの取材を受けはじめたのは、彼等がイスラエル社会で無視できない存在に成長してきたからなのでしょう。
祈り)イスラエル国民がこうしたマイノリティにも目を留め始めています。彼等の信仰に裏付けられた良い業が、良い実を結びますように。
写真)ヘブル語版新約聖書(写真上で開かれているのはマタイの福音書5章9〜12節)とダビデの星
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2009年4月11日土曜日
メシアニック・ハガダーの解釈と非難
今年のペサフは15日まで続きます。
さてこのペサフに欠かせないのが、ペサフ入りした初日の晩餐です。これは世界中のユダヤ人の各家庭で持つ特別な夜の食事会で、食事をしながら家長(主に父親)がその家の女、子供たちに聖書の出エジプトの記述をつたえるというユダヤ人の伝統行事です。
ところで、そもそもメシアニック・ハガダーのどこに問題点があるのでしょうか。今年問題にされているハガダーは "Passover Family Pack: Everything You Need To Enjoy a Passover Seder Dinner"という題の、米国で販売されているハガダーで、反宣教団体は「このハガダーはイエスを売り込む戦略だ」として非難しています。
そこで反宣教団体が問題にしたハガダーの主要点を抜粋して取り上げてみましょう。
・4つのカップに注がれた赤ワイン:ナザレ人イエスの血 *1
・3枚のマッツォ(四角いクラッカー):イスラエルの神、 メシアなるイエス 、神の霊 *2
ハガダーの解釈にまつわるもめ事は、非ユダヤ教徒の目から見ると茶番劇かもしれません。しかしユダヤ教徒にとりキリスト教徒との境界線がこれでなくなるとしたら、ハガダーの解釈一つで今日の民族性維持の危機につながります。
けれどもキリスト教が生まれた2千年前は今日のような境界線があったのでしょうか? 新約聖書にはペサフの記述があり、ナザレ人イエスはこのペサフの時期に「ペサフ時にほふられる小羊の象徴として」死刑にされています。その死刑にされる前夜のペサフの晩餐において彼は種いれぬパンとぶどう酒を指して「わたしを覚えて、これ(ペサフ)を行いなさい」と命じています[第一コリント人への手紙11章23〜25節]。こういう訳でイエスの死後数世紀まではキリスト教の中でペサフは守られていた様です。やがてローマ帝国のキリスト教国教化にともない異教的な要素を含むイースターが入りこみ[http://www.religioustolerance.org/easter1.htm]、過ぎ越し祭などのユダヤ教的伝統はキリスト教内から排除されていきました。
*2:晩餐のテーブルには、3枚重ねのマッツォが白い麻布に包まれて置いてあります。食事の最中に3枚重ねの真ん中のマッツォは取り出され、二つに割かれます。割かれた片方は布に戻し、もう片方は家長によって隠され、後で家の者たち(主に子供たち)に探してもらいます。この伝統をアフィコマン[afikoman: もともとギリシャ語に由来するこの言葉には”後からやって来るもの”という意味があります]と呼び、長い晩餐の唯一の楽しみです。メシアニック・ジューはこのアフィコマンはナザレ人イエスの姿を表していると主張します。イエスは死刑に処せられ、その亡骸は白い麻布に包まれ、墓穴に3日の間葬られ、その後よみがえったと聖書に記されていますが、その姿をアフィコマンの言葉の意味と伝統に重ねています。
さてこのペサフに欠かせないのが、ペサフ入りした初日の晩餐です。これは世界中のユダヤ人の各家庭で持つ特別な夜の食事会で、食事をしながら家長(主に父親)がその家の女、子供たちに聖書の出エジプトの記述をつたえるというユダヤ人の伝統行事です。
その際、各家庭にばらつきがでないように、ペサフの晩餐にはハガダーという次第があります。これは若干バリエーションがあるようですが基本的には同じで、世界中のユダヤ人が共有し、この次第からユダヤ人の共通の歴史認識を読み取ることができます。
ペサフの晩餐はここ十数年でクリスチャンの間にも広まってきました。広めているのがナザレ人イエスをメシアとして受け入れたユダヤ人たち(自称メシアニック・ジュー)です。彼等はこのハガダーに独自の解釈を取り入れたメシアニック・ハガダーを使用しており、今日正統派ユダヤ教徒からは非難を浴びています。特に、政治力を持つ正統派とのつながりがある「反宣教団体」は今年も大胆な反メシアニック・ジュー運動をこの時期に行いました。[参考:http://www.haaretz.com/hasen/spages/1074689.html]
ペサフの晩餐はここ十数年でクリスチャンの間にも広まってきました。広めているのがナザレ人イエスをメシアとして受け入れたユダヤ人たち(自称メシアニック・ジュー)です。彼等はこのハガダーに独自の解釈を取り入れたメシアニック・ハガダーを使用しており、今日正統派ユダヤ教徒からは非難を浴びています。特に、政治力を持つ正統派とのつながりがある「反宣教団体」は今年も大胆な反メシアニック・ジュー運動をこの時期に行いました。[参考:http://www.haaretz.com/hasen/spages/1074689.html]
ところで、そもそもメシアニック・ハガダーのどこに問題点があるのでしょうか。今年問題にされているハガダーは "Passover Family Pack: Everything You Need To Enjoy a Passover Seder Dinner"という題の、米国で販売されているハガダーで、反宣教団体は「このハガダーはイエスを売り込む戦略だ」として非難しています。
そこで反宣教団体が問題にしたハガダーの主要点を抜粋して取り上げてみましょう。
・4つのカップに注がれた赤ワイン:ナザレ人イエスの血 *1
・3枚のマッツォ(四角いクラッカー):イスラエルの神、 メシアなるイエス 、神の霊 *2
ハガダーの解釈にまつわるもめ事は、非ユダヤ教徒の目から見ると茶番劇かもしれません。しかしユダヤ教徒にとりキリスト教徒との境界線がこれでなくなるとしたら、ハガダーの解釈一つで今日の民族性維持の危機につながります。
けれどもキリスト教が生まれた2千年前は今日のような境界線があったのでしょうか? 新約聖書にはペサフの記述があり、ナザレ人イエスはこのペサフの時期に「ペサフ時にほふられる小羊の象徴として」死刑にされています。その死刑にされる前夜のペサフの晩餐において彼は種いれぬパンとぶどう酒を指して「わたしを覚えて、これ(ペサフ)を行いなさい」と命じています[第一コリント人への手紙11章23〜25節]。こういう訳でイエスの死後数世紀まではキリスト教の中でペサフは守られていた様です。やがてローマ帝国のキリスト教国教化にともない異教的な要素を含むイースターが入りこみ[http://www.religioustolerance.org/easter1.htm]、過ぎ越し祭などのユダヤ教的伝統はキリスト教内から排除されていきました。ハガダーはイエスの時代よりさらに後代の産物と考えられていますが、メシアニック・ハガダーの新しい解釈は、ユダヤ教徒にもキリスト教徒にも聖書(タナフと新約聖書)をもう一度読み直す機会をもたらしてくれそうです。
キリスト教がローマ帝国の国教化で変化してしまったこと、十字軍や後の宗教改革時代のキリスト教徒たちの偽善的で反ユダヤ的な言動だけをみると、今日のユダヤ教徒のキリスト教に対する反感や恐怖心は分からないでもありません。けれども、ハガダーの解釈に関してのみ考えるならば、これはメシアニック側のユダヤ教に対する信仰上の歩みよりであって、反宣教団体が政治的に圧力をかけたとしてもメシアニック・ジューから彼等の「新しい解釈と信仰」を切り離すことは難しいでしょう。
キリスト教がローマ帝国の国教化で変化してしまったこと、十字軍や後の宗教改革時代のキリスト教徒たちの偽善的で反ユダヤ的な言動だけをみると、今日のユダヤ教徒のキリスト教に対する反感や恐怖心は分からないでもありません。けれども、ハガダーの解釈に関してのみ考えるならば、これはメシアニック側のユダヤ教に対する信仰上の歩みよりであって、反宣教団体が政治的に圧力をかけたとしてもメシアニック・ジューから彼等の「新しい解釈と信仰」を切り離すことは難しいでしょう。
祈り:「ですから一人一人が自分を吟味して、そのうえでパン(マッツォ)を食べ、杯(4杯のぶどう酒)を飲みなさい」(第一コリント11章28節)この言葉をペサフの時期に心に留めています。伝統としてペサフを祝っているユダヤ人にとっても、ユダヤ教との関連をまったく知らないキリスト教徒にとっても、非難し合うよりも前に、聖書を読み直す時になりますように。
*1:ペサフの晩餐では4杯ワインを飲みます。 一杯目は、羊の血を通してイスラエル人をエジプト人から選り分けた神の聖別、2杯目は、イスラエル人の解放を拒んだエジプト人への神の裁き、3杯目は、イスラエル人を奴隷から解放させた神の救い(あがない)、そして4杯目は、預言者エリヤへの敬意とメシア待望、そして神への賛美を意味します。ワインは「命の実」と考えられた葡萄を原材料にしており、ペサフの晩餐で用いる赤ワインは小羊の赤い血を象徴します。しかしメシアニック・ジューは、小羊の血に加えて、罪の家からあがなったメシア・イエスの血も象徴されていると主張します。
*1:ペサフの晩餐では4杯ワインを飲みます。 一杯目は、羊の血を通してイスラエル人をエジプト人から選り分けた神の聖別、2杯目は、イスラエル人の解放を拒んだエジプト人への神の裁き、3杯目は、イスラエル人を奴隷から解放させた神の救い(あがない)、そして4杯目は、預言者エリヤへの敬意とメシア待望、そして神への賛美を意味します。ワインは「命の実」と考えられた葡萄を原材料にしており、ペサフの晩餐で用いる赤ワインは小羊の赤い血を象徴します。しかしメシアニック・ジューは、小羊の血に加えて、罪の家からあがなったメシア・イエスの血も象徴されていると主張します。
*2:晩餐のテーブルには、3枚重ねのマッツォが白い麻布に包まれて置いてあります。食事の最中に3枚重ねの真ん中のマッツォは取り出され、二つに割かれます。割かれた片方は布に戻し、もう片方は家長によって隠され、後で家の者たち(主に子供たち)に探してもらいます。この伝統をアフィコマン[afikoman: もともとギリシャ語に由来するこの言葉には”後からやって来るもの”という意味があります]と呼び、長い晩餐の唯一の楽しみです。メシアニック・ジューはこのアフィコマンはナザレ人イエスの姿を表していると主張します。イエスは死刑に処せられ、その亡骸は白い麻布に包まれ、墓穴に3日の間葬られ、その後よみがえったと聖書に記されていますが、その姿をアフィコマンの言葉の意味と伝統に重ねています。
注)前回とりあげた「過ぎ越し」の意味はわかりましたか? 答えは出エジプト記12章12〜14節に記されています。
おまけの写真:
もし現代版出エジプトがあったらこんな感じですかね?


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