14日のイスラエル首相の外交演説に関するロイター通信の記事全文を以下に添付します: オバマ大統領は、ネタニヤフ首相の発言を「重要な一歩」と歓迎し、2国共存という中東和平の解決につながるものと評価した。 今回の演説でネタニヤフ首相は、ほとんどの争点について従来の姿勢を繰り返したが、オバマ大統領が和平実現に取り組む余地は提供したと言える。 「2国共存を推進したいオバマ大統領の懸念という観点からすれば、ネタニヤフ氏は大統領が和平作業に取り組めるような発言をした」と言うのは、米ブルッキングズ研究所のマーティン・インダイク氏。 同氏は、非武装化されたパレスチナ国家という考えは、クリントン元米大統領が政権後期の和平交渉で推し進めた非軍事国家に非常に近いと話す。 また、主権を制限する条約も目新しくなく、例えば、イスラエルとエジプトの和平条約は、シナイ半島で展開できるのは警察部隊のみとしており、軍は認められていないという。 元駐イスラエル米大使の同氏は、「つまり、非武装化国家を最初の条件とすることで、米国も全く話が始まらないということにはならない」と分析する。 <アッバス議長の弱体化> 外交問題評議会の中東専門家、スティーブン・クック氏は、イスラム原理主義組織ハマスと身内で争うアッバス・パレスチナ自治政府議長の弱体化につながる言葉を用いて、ネタニヤフ首相がパレスチナ国家承認を表明したとみる。 同氏は、「首相は(右派政党の)リクード党首としては画期的なパレスチナ国家という言葉を使った。ところが、その言葉に条件を付けて何度も繰り返した言葉が非武装化だ。領空権もなく、国境は基本的にイスラエルが管理する」と話す。 ネタニヤフ首相はまた、現在のイスラエル領土内にパレスチナ難民が帰還し、定住することを断念するよう求めた。 この点について、クック氏は「それは、誰もがよく分かっていることだと思う。ただ、それを言葉にされると、パレスチナ難民はどうしようもない状況に追いやられる」とした上で、「ハマスと争うアブー・マーゼン(アッバス議長)には本当に何の助けにもならない」と語った。 さらにネタニヤフ首相は、オバマ大統領が求める入植地建設の全面中止については表明せず、新しい入植地の建設とパレスチナ領土の収用については今後行わないとだけ述べた。 しかし、ワシントン近東政策研究所のデビッド・マコフスキー氏は、意見の相違はあったとしても、ネタニヤフ氏がオバマ大統領に対し、ともに取り組むべき課題を提示したとする。 「ネタニヤフ氏は、問題はもはやパレスチナ国家承認を拒否することでなく、国家の形であることをはっきりさせた」と指摘。「このことは重要だ。なぜなら、ネタニヤフ氏は和平プロセスには常に慎重で、プロセスがテロを助長するわなだと信じる中道右派政党のリーダーだからだ」と言う。 一方で同氏は、ネタニヤフ首相が和平プロセスを前進させたいオバマ大統領に難しい課題を残したともみる。 「ネタニヤフ氏はパレスチナ国家を承認したが、その分ほかに多くの条件を提示した。これでオバマ大統領がさじを投げるとは思わないが、明らかに協調できる部分は多くない」と話している。(ロイター日本語サービス 原文:David Alexander、翻訳:橋本俊樹)ネタニヤフ首相のパレスチナ国家容認、注目される米政権の出方
【ワシントン 14日 ロイター】 イスラエルのネタニヤフ首相は14日、非武装化など条件付きでパレスチナ国家の樹立を認めると表明した。しかし、中東和平プロセス再開を目指すオバマ米大統領にとっては、解決すべき問題も多く前途は厳しい。
ネタニヤフ首相は演説で、パレスチナ国家容認の条件として、パレスチナ側の非武装化とイスラエルがエルサレムを首都としたユダヤ人国家と認めることを求めた。
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2009年6月18日木曜日
ネタニヤフ首相、パレスチナ国家容認
ラベル: 政治
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