2010年9月1日水曜日

アーカイブ①:シャガールのステンドグラス:ルベン

先月、エルサレム市エンカレムのハダサ病院敷地内に在るシナゴーグに行ってきました。このシナゴーグ内に、ユダヤ人画家マルク・シャガール(1887〜1985)が手掛けた有名な「イスラエル12部族のステンドグラス」があります。フランスのランス市で2年半を費やし作成されたと云うこのステンドグラスは、最初パリのルーブル美術館に、その後ニューヨーク近代美術館に展示されました。そして1962年、シャガールの希望通り、エンカレムのこのシナゴーグに設置されました(写真上)。

わざわざここまで見学に来れない方々のために(エルサレムに住んでいても中々来ない場所なので)、これから12枚の絵の一つ一つをここに紹介することにします。

12枚のステンドグラスは、ヤコブの12人の息子たちに託した言葉(創世記49章)から霊感を受けて描かれています。各絵は、息子たちのヘブル語名の意味、父ヤコブのそれぞれへの遺言、そして絵の解説という順で紹介させて頂きます。

最初は、
ルベン[ראובן]
名前の意味:「見よ。子を。」
(創世記29章3節)

「ルベンよ。お前は私の長子、私の勢い、命の力の初穂。気位が高く、力も強い。お前は水のように奔放で、長子の誉れを失う。」

「ルベンは沸き立つ水」と父が表現した様に、この絵は水色を基調としています。シャガールは、天地創造第二日の、未だ手つかずの空と海の色も表現したかったのか。その自然界の荒っぽさとルベンを重ねて見たのか。シャガールは青い世界に鳥や魚を描きました。右下に咲く赤い花は、ルベンの母レアを表したものです。その赤色は、長男ルベンの母に対する愛情の表れだとも云われています。




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