第2次世界大戦中、自動車部品製造工場を持つ独シェフラー社が、アウシュビッツの犠牲者の毛髪2トン(約4万人分)で繊維を作っていたことが公表されました。ポーランドのアウシュビッツ博物館で働くホロコースト歴史研究家、J. ラヘンドロ博士が明らかにしました。
戦中アウシュビッツでは130万人のユダヤ人(他に1万人のポーランド人の囚人、1万7千人のソビエトの捕虜、2万3千人のジプシーもいた)が殺されており、その多くは家畜同然の扱いを受けてガス室で大量処分されました。ガス室に入る前に、ガス室監視官はユダヤ人達の毛髪を切り落とし、その後、繊維工場が彼等の毛髪を引き取りました。そこで毛髪は衣類、毛布または工業用繊維などに加工されました(写真は加工前の毛髪。三つ編み、ヘアバンド、眼鏡がまぎれています)。
この繊維は、当時ポーランド南部にあった独シェフラー社の系列工場で発見されました。しかし現在、世界に22万人の従業員を抱える製造大手の同社は、ナチスと手を組んで「人毛繊維」の製造に関与していたことを否定しています。
[参考:1)www.ynet.co.il/english/articles/0,7340,L-3680205,00.html
2)www.dailymail.co.uk/news/worldnews/article-1158529
戦後ホロコースト教育は世界に浸透しました。しかし未だにナチスドイツによる「ガス室大量虐殺」を否定する人たちがいます。例えば、先月25日、アルゼンチン国から国外退去命令を受けて英国に帰国したリチャード・ウィリアムソン神父は、ガス室否定論者でした。以前神父は、スウェーデンのテレビのインタビューで「ガス室で殺されたユダヤ人は1人もいない」などと発言し、今回国外退去するまで、神父はアルゼンチンのカトリック神学校で教えていました。今カトリック界、イスラエル、そして英国やアルゼンチンでは、彼の与えた倫理上の影響が問題視されています。下の写真は有名なアウシュビッツ収容所です。
祈り)ホロコーストを認めない企業やそれをくつがえす人たちが存在します。その史実は今も語られていますが、同時にホロコースト史の改ざん勢力が表面化してきました。人間は罪と向き合うことに基本的に臆病ですが、私達一人一人が罪について問い、認め、悔い改めることができますように。
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