なぜイスラエル建国年以降のパレスチナ人はヨルダンに定住できないのでしょうか。パレスチナ人のヨルダン移住/定住に何か問題があるのでしょうか。今ヨルダン国は、ガザ在住のパレスチナ人がヨルダン国へ流入するのを恐れています。又こうした動きの水面下で、「パレスチアナ人達のヨルダン移民をイスラエル政府が歓迎している」又「ネタニヤフ首相はヨルダン国をパレスチナ国家に見立てている」等の噂も流れ始めました。こういう噂を誰が立てるのかはわかりません。勝手に噂を立てられてイスラエル側も困っている様子です。しかしヨルダン国としてはこれらの噂を認めるわけにはいかず今回の処置を取ったようです。
当然ながらこの処置は、ヨルダン人とパレスチナ人の関係を気まずくしています。ヨルダン国では、地元の青年達が「パレスチナ人はイスラエルと手を組む裏切り者だ」となじるようになり、同じアラブ人同士なのに内部分裂の兆候がでています。
またどういうわけか、このニュースはアラブ諸国では問題にはされていません。国際世論や人権団体もガザ戦争の時はパレスチナ人達への人権をあれ程叫んだのに、ヨルダン国内のパレスチナ人達が基本的人権や市民権を失い始めている現状には黙っています。黙認しているのでしょうか。もしイスラエルがヨルダン政府に倣ってイスラエル国内のパレスチナ系市民を追放でもしようものなら、アラブ諸国も欧米諸国も黙ってはいないでしょうに。世界中の人権団体もイスラエル・バッシングの大合唱を始めるでしょうに。
さらに不審な点は、ヨルダン国王のアブドゥッラー2世の妃ラーニア夫人(写真)はパレスチナ人なので彼女の立場がどうなるかです。もちろん他のパレスチナ人のように追放されることは決してありません。ラーニア夫人は、世界で最も美しい王妃といわれ、パレスチナ人の誇りでもありますから。しかし王妃としていかに同胞のもどかしい気持ちを汲み取るのでしょうか。
祈り)ヨルダン国建国の背景を考えるなら、パレスチナ人を守り、自立させるのがヨルダン国の使命だと思うのですが。。。しかし現状はそうではないようです。政治上矛盾だらけで不安定な世界にいるパレスチナ人たちのためにも、アラブ諸国のパレスチナ人に対する政策が統一されていきますように。ヨルダンを含むアラブ社会が安定しますように。
参考)7月21日付け エルサレム・ポスト紙[記者:Khaled Abu Toameh]
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