昨年7月、クネセット(イスラエル国会)はエチオピア系ラビの申請を受けていたエチオピア系ユダヤ人の宗教祭、シグド祭 [Sigd]を正式にイスラエル国の祝祭日に指定しました。シグド祭はユダヤ暦ヘシュバン月[חֶשְׁוָן:意味は8番目の月。時期的にはユダヤ宗教暦から数えて8ヶ月目の晩秋]の29日にお祝いします。まだ制定されたばかりで、非エチオピア系の国民にはまだ馴染みがありません。そこでシグド祭を紹介させていただきます。
私も実は先週はじめてシグド祭の存在を知った者なので、このブログに載せるために勉強してみました。簡単に申し上げると、ユダヤ教のシャブオット祭のエチオピア版です。このシャブオット祭は、ペサフ祭(過ぎ越し祭:出エジプトの記念祭)から数えて7週間後に持つ祝祭で、シナイ山麓に居住していたイスラエルの民のために神がシナイ山頂でモーセを通して与えた十戒とその他もろもろの教えを記念してお祝いします。しかしエチオピア系ユダヤ教の伝統では、神の律法は、ソロモン時代、分裂王国時代、捕囚と離散時代を経て、イスラエルの民に忘れられていき、再び神の教えに立ち返り、律法を読み直したのがエズラ・ネヘミヤの時代だった。その時期が、ヨムキップール(ユダヤ新年に持つ悔改めと罪のあがないの日)明けから数えて7週目だったというのです。そしてヨムキップール明けの仮庵祭が喜びの週であるように、このシグド祭ではヘシュバン月の29日の週に詩篇を読み、歌って踊り、喜ぶのだそうです。
というわけでシグド祭も、シャブオット祭とコンセプトは同様らしく、律法を授かったことを喜ぶお祭りのようです。正確には律法授与ではなく律法再読の喜びだと思いますが。詳しくは聖書のネヘミヤ記8章1〜3節でご確認下さい。
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