このブログの右側下方に「西暦とユダヤ暦」を表示しています。これまで気づかなかった方は、この説明を読みながらこの表示を見てみてください。ここにCivil DateとHebrew Dateという表記がありますが、Civil Dateは欧米諸国や日本で使うグレゴリアン暦(西暦)です。Hebrew Dateというのはイスラエルで使うカレンダーで聖書で定められた民間暦です。ちなみに聖書には農耕サイクル(収穫時期など)と祭り事と合わせた宗教暦もあります。ですからイスラエルでは、ペサフなどの宗教に関するお祭りにはこちらの宗教暦を用いますが、学校や民間企業などでは民間暦やグレゴリアン暦を用います。さて右側下方のHebrew Dateによると、今日は「5796年エルルの月10日、ヨムリション(日曜日)」ということになります。
このエルルの月はユダヤ民間暦の“師走”、つまり12月になります。そしてもうすぐユダヤ民間暦の新年ロシュハシャナがやってきます。この「エルルの月」は「一年を振り返って自己を反省する月」とされており、ユダヤ人が「神」や「罪」を最も意識する時期です。宗教や正統派ユダヤ教の教えに特に関心のない、要するに世俗派のユダヤ人でさえこのエルルの月は心のどこかに畏怖の念を抱き、ロシュハシャナ(新年)が来るまでの29日間を“自分の心を探る時”とするようです。
ユダヤ人の伝統的な考えでは、ロシュハシャナに神が「命の書」を開き、前の年のそれぞれの行いによって、新しい一年の行く末を書き記すと考えられています。例えば、ロシュハシャナが始るまでの29日間に「心から反省して罪を悔い改めた者」に対しては、神はその者の過ぎ去った一年の言動を許し、「命の書」に“善人”として記録して下さるそうです。エルルの月は、シナゴーグで朝ごとに角笛を鳴らして民衆に自己反省を促します(写真)。

一方、イスラム教徒は、この時期をラマダンの月と呼んで断食をします(写真)。ラマダンはマホメットが天使ガブリエルより聖典コーランを授かった月とされており、昼の断食をもって心身をアッラーのために聖別します。“昼断食”ということで、夜は断食解除となり、夜の飲食が自由になるとか。こうした偏食により、ラマダンの月が明けるとむしろ体重が増えていたという話も聞きます。またラマダン中は家に閉じこもることが多く、イスラム教徒のテレビ視聴率があがるという統計も出ています。
宗教行為の動機と内容に違いはあれ、ユダヤ教、イスラム教ともども今月はまるでキリスト教のレント期間(春に持つこのレント期間には、多くのキリスト教徒が自己反省し、よみがえりのメシアを待望します)のようです。
祈り)ラマダンで“心身のきよめを願う”イスラム教徒と、エルルの月に“罪のゆるしを乞う”ユダヤ教徒とが、出会うべき神と出会って、真のきよめや罪のゆるしを経験できますように。