2010年9月5日日曜日

アーカイブ④:シャッガールのステンドグラス:ゼブルンとイサカル

ゼブルン「זבלון」
名前の意味:「一緒に住む」創世記30章20節

「ゼブルンは海辺に住む。そこは舟の出入りする港となり、その境はシドンに及ぶ。」
(創世記49:13)

ゼブルン一族は海辺で共同生活をしました。シャガールは、今まさに地中海におちようとする紅い夕陽を絵の中央に描き、全てをこの夕紅で包みました。夕紅は、父ヤコブの人生最期を映している様にも、また後に残す子供たちへの彼の燃えるような思いを描いている様にもとれます。夕紅の西の空に、舟と海の魚たちとそれらを取り巻く世界が包まれていきます。大きな2匹の魚が空に舞う様は、ゼブルンの繁栄を象徴しているのでしょうか。


イサカル「יששכר」
名前の意味:「報酬」「対価」創世記30章18節

「イサカルは骨太のろば、二つの革袋の間に身を伏せる。
 彼にはその土地が快く、好ましい休息の場となった。
 彼はそこで背をかがめて荷を担い、苦役の奴隷に身を落とす。」
(創世記49:14〜15)



父より「骨太のろば」と例えられたイサカル。ロバは馬と異なり戦争には適さず、農業に適する動物です。ならば、イサカルは平和を求める農夫の部族といます。シャガールはイサカルの色を緑「広大な畑の色」と定めました。この畑で、—父の預言にあるように—イサカルは「休息を得る」のでしょうか。ロバの頭を青く染めたのは、その休息と平和の強調でしょうか。

この絵は、葡萄の枝葉から覗き込むように描かれています。そこから緑の牧場で戯れる動物たちや平和な町を覗くことができます。この絵の中央、ロバの上に、二つの手が在ります。これは、ユダの絵と同様に「祝福の手」ともとれます。しかしこれは同じ母を持つゼブルン(赤い手)とイサカル(緑の手)の兄弟愛の堅さを表現したとのことです。

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